【黄斑円孔】手術のリアルな体験記

黄斑円孔

黄斑円孔の手術

黄斑円孔の手術は、穴が空いている網膜の薄い膜を剥がして、その後に目の中にガスを注入するというものです。術後はそのガスが円孔を抑えることで自然に塞がるものを待ちます。この間約2~3週間。その間は基本うつ伏せで過ごすというのが一連の治療の流れです。黄斑円孔の手術とは治療の終わりでなく、むしろ治療のスタートなのです。

手術室は渋滞中

その日は午前9時きっかりに、上の階にある手術室に向けてストレッチャーに載せられて病室を出発しました。到着すると、別の手術を受ける患者さんたちのストレッチャーが所狭しと並んで、かなり渋滞していました。さすがの大病院、施術室が沢山あります。そこで分刻みで手術が行われ、一人の手術が終了したら「はい次!」という風に、ところてん式に、患者さんとお医者さんが入れ替わっていきます。手術ってもっと仰々しいものかと思っていたのですが、このベルトコンベアーのような流れを見て、不思議となんか気持ちが軽くなったのを覚えています。

手術の流れ

前の手術が終わるのを待って入った手術室は、思いのほか照明が明るく、機材や薬剤が無造作に配置されていて、ちょっと倉庫の様な雰囲気でした。「へぇーこれが手術室なんだ。TVで見るとのちょっと違うぞ」と内心思いながら、手術台へ。

ストレッチャーから手術台へは自分で歩いて「よいしょ」と移動。寝転がると、背中部分がほんのり保温されていて、「あれ案外快適かも?」なんてぼんやりと考えていたら、看護師さんたちの動きが急に早くなり手術準備が着々と進んでいきました。手首、足首には色々な器具を設置され、足は落下防止用のベルトで固定。そして間髪入れずに目の消毒です。目の上から消毒液をちょろちょろかけ流され、すっきりしたら、最後に目の周りに痛み止めの「テープ」を貼られました。そして顔にカバーがかけられ(手術する左目だけが丸くあいたカバー)て準備終了。もうここまできたらなるがまま、されるがままです。

当たり前ですが、左目は見えるので、様子を見ようと思えば観察できたのですが、それは怖くて無理。先生の指示があるまではギュと目をつぶって待っていました。その後室内が暗くなり、担当の先生の「じゃ。はじめますね。目を開けてください」を合図にいよいよ手術がスタート。まずは、目の麻酔。目に針の様なものが入ってきたのは分かるのですが、ぼんやりとしか見えません。ただ、ぐぐーっと液体が入る鈍痛があって、これが少し痛かったです。ただ事前に、かなり痛いと聞いていたのもあって、「あっこの程度の痛さなら平気」そう思える程度の痛みでした。手術を通して「この時が一番痛い」というのは事実で、これ以降は一切痛くもかゆくもなかったです。

手術中は、目を触られているのは分かるのですが、とくに不快感も恐怖感もなかったです。ずっと機器が英語で何か喋っているのですが、それを聞いていると、手術前に飲んだ薬の影響か、背中の保温の影響か、どんどん眠くなってきたのです。時々、執刀してくださった先生が「ガス入れて」「○○と入れて」とかがまるで子守歌の様に聞こえてたのを覚えています。そうそう手術の過程で、目の中に青い液体を入れるのですが、この液体が入った時に、ぱっ!と万華鏡の様な景色が見えてとても幻想的でした。「あー綺麗」とうっとりしていたら、「はい手術終了です。きれいにできましたよ」と先生の声。ということで、目の手術は拍子抜けする位にスムーズに終わったのでした。

手術よりもつらかった術後

病室に戻ったのは10時30分頃です。なので手術時間は、前後の待ち時間などを差し引いて、きっかり「1時間程度」だったということになります。意外だったのは手術そのものは、痛みも、不快感も殆どなかったということ。これはひとえに担当医の先生の力量によるもので、私はとても幸運だったと思います。黄斑円孔はまだまだ、認知されていない病気なので、病院はおろか、先生を選ぶなんてことは難しいのですが、できるだけ色々調べて納得のいく先生のもとで手術されることを本当におすすめします。

こんな風に手術は順調に終わったのですが、この後、いよいよ「うつ伏せ寝」が始まります。何が辛いってこれがホント一番つらかったです😿



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